No.407 / 人体の不思議展 その2


人体の不思議展....の続きですが....


とにかく標本がどういう仕組みで作成、維持されているのか?
と言う事が一番の疑問及び興味の対象になりました。


標本は「プラストミック標本」と言うそうです。


人体を常温で変質する事なく、耐久性に優れ、半永久的に保存できないかと考えられたのがこの最新技術により作られた人体標本...
「プラストミック」....と言う事らしいです。


水分を全く含まず、無臭で容易に手で扱う事ができるそうです。


プラストミック標本の作製法


人体は水、体液、脂肪などで出来ていて、まず、この水分と脂肪を除去するためにアセトンという液体を使用します。


アセトンとは引火性の強い刺激臭のある液体で、まず70%アセトン液を満たした容器に1週間標本(全身や部位)を沈めます。
次に80%アセトン液に1週間
90%アセトン液に1週間
最後は100%と度数を上げて行きます。
これは標本の収縮を避け、出来るだけ原形を保つのが目的だそうです。



次に標本をシリコン(またはエポキシ、ポリエステル)液に1日沈め硬化剤を加え、さらに2週間くらい浸します。
こうすると標本中の水分のあった所はシリコンに置き換わって行くそうです。
しかしまだ深部には十分浸透しません。
そこで真空ポンプで気圧を下げて行くとアセトンは急激に気化するため、深部までシリコンが浸透します。
標本が変形しないように1カ月以上かけて徐々に気圧を下げて行きます。
その後標本を取り出し、表面のシリコンを拭き取った後密閉した部屋で
珪酸S6のガスを充満させ乾燥剤を置き乾燥させます。
完全に樹脂が固まり乾燥した標本は、水分を全く含まず、無臭で、容易に手で扱う事ができるそうです。


実際手で触れる標本があったので触れたり匂いを嗅いでみましたがロウの様な匂いがしただけで嫌な異臭は全くなかったですね。


会場で感心したのは男性はどちらかと言うと少し距離を置いて眺めていたり、もう良いかな....って感じの人が多かったのと対照的にエグイ標本の前程平然として...と言うよりも好奇心いっぱいで坦々と眺めている女性陣の姿でしたね。


外科的医療の発展や知識向上、一般の人達の自分の肉体や疾病、生命の神秘への関心などに積極的に有効利用されればこの標本も浮かばれると思いますが、
どうしても標本たちの国籍やどういう素姓の標本か?など色々と考えてしまった....と言うのが本音でしたね。