No.1554 / Cream 時代のエリック・クラプトンの貴重なギター・インタヴューの思い出


Eric Clapton との出会いは当然ビートルズのホワイト・アルバムの
" While My Guitar Gently Weeps " を中学時代に聴いて「歪んだエレキ・ギターなのに何て!悲しげでしかも美しいギターを弾く人なんだろう!」と思ったのが最初でした。



しかし次に出会ったこの映像が私の人生を更に違う方向へ導いてしまったのでした。


当時 NHK の貴重な洋楽番組「ヤング・ミュージック・ショウ」でこの衝撃的な彼の動く姿をついに観てしまったのです。
クリームのロイヤル・アルバート・ホールでの解散コンサートの模様を約1時間に短縮した番組でした。



その途中に彼の「ギター講座」と言うか「ギター教室」のようなインタヴュー映像が挟み込まれていたのです。
メインのショーでのクラプトンは髪も短くなり赤の ES-335 を淡々と弾く優しいが屈折したお兄さん!って感じだったのですが、このインタヴュー映像はパーマが残った長髪に哲学者や俳優の様な渋い口ひげ、更に衝撃的なあのサイケデリック・ペイントされた SG を抱えていたのです。



その内容は、


・それぞれのピックアップに対するヴォリュームとトーンの解説。
・トーン・コントロールを絞った時と開いた時の音色の違い。
・同じヴォリュームでもピッキングの強弱で表情が変わる事。
・ワウワウ・ペダルの解説。
・さらにあのウーマン・トーンの秘密。
・フィンガー・ヴィブラートの大切さと難しさ。
・アドリブはストックしたフレーズの組み合わせで構成している。
・最後にウーマン・トーンでの弾きまくり実演......


とまあ大まかに分けるとこんな感じでした。
本当に数分の短い貴重なインタヴューですが、でもギターを弾く時に大切な要素全てが凝縮されている様に思います。


この映像をもう一度観たくて東京時代、西新宿で海賊盤のビデオを購入し、次に VAP から正規発売された「クリーム伝説公演」と言う確か¥15,800 もするビデオをバイトして購入し、世田谷の経堂のアパートで何度もこの部分を繰り返し観た思い出があります。


その後レーザーディスクも発売され当然購入する事に.....(泣!)
更に" Cross Roads " が入った完全版!(怒!)の発売.....
レーザーディスクから時代はDVDへ.....(大泣!)
たわけっ!(大怒!)



この時に彼から学んだ事.....


・ギタリストはトーンとタッチが全て。
・ヴィブラートこそ最も重要。
・ギターを弾く時の構えや運指フォームの美しさ。
・美しいギタリストの指は白く細くなければならない。
・当然人前でステージに立ってお金を戴くには太っていてはいけない。
・最低限のテクニックは当然だがギターは顔や体全体で弾く。
・お客さんに満足感を与える為には容姿やファッションも重要。
・自己満足だけを押し付けるミュージシャンのみっともなさ。
・プレイヤーのポリシーや美学を感じられるか?....
あげると切りがないですが.....


とにかくこの映像をご覧下さい。
この時代の彼だからこそ " While My Guitar〜 " の名演奏を一旦はビビって断ったにもかかわらず一発録りで残せた秘密が見つかる様な気がします。