No.60 / BOB DYLAN
ボブ・ディラン/BOB DYLANについては今までわざと近付かない様にしてきた様に思う。
何か凄そうだけど難しそうな・・近寄りがたいイメージを勝手に持っていた様な気がする。
以前の知識としては映画で観た「バングラデシュ」の最後にジョージとレオン・ラッセル、リンゴを従えて偉そうに変な声でがなっているフォークの変なおじさん!?・・て感じ?
あとはザ・バンドの「ラスト・ワルツ」で同じ様なシチュエーションで乞食のような格好でまたまた偉そうにメンバーをハラハラさせ、無視して突っ走る変なおじさん!...しかしやけに白い帽子が眩しかった。
要するに良く解らないけれどやたら印象に残る人!
しかしその時の直感でいつか自分にとって重要な接点を持つ事になるかもしれない人って感じかなあ?
あとは自分の好きなアーティスト(ビートルズを筆頭にクラプトン/Eric Clapton、ザ・バンド/The Band、ジミ・ヘンドリックス/Jimi Hendrix、ジェフ・ベック / Jeff Beck etc,etc)が必ずどっかでディランと接点を持っているのも気になっていた。
気に入ったアーティストを掘り下げていくと必ずディランが登場してとうせんぼをするみたいな...まるで彼が「まだ俺を聴かないのかい〜?甘いぜっ!」って言っている様に。
数年前にたまたま購入したみうらじゅんのCGのイラストが印象に残った帯の「THE BEST OF BOB DYLAN」。
その時びっくりしたのが1曲目の「BLOWIN' IN THE WIND」の音の良さだった。
この曲が収録されているオリジナルの「THE FREEWHEELIN'」の発売は63年なのでもっと古めかしい音が出て来ると思っていたのだが、なんと目の前でディランがギターとハーモニカで演奏しているかの様なクリアーで全くヒス・ノイズもない生々しい音だった。
この音質だったら聴けるかも?って思い聴き進めていくとベースがやけに印象深い「JOKERMAN」のディランの繰り返す吐き捨てる様な味のあるなんとも上手いボーカルにやられてしまった(後で判ったが、リズム隊はスライ&ロビーでギターはマーク・ノップラーとミック・テイラー)。
繰り返し何度も何度も車の中でもこのCDを聴く内に彼の独特の声質や歌い回しがすんなりと体に入ってくる様になり、1日に一度はディランを聴かないと落ち着かない様な軽い中毒症状に陥り始めた。
あと別に興味を惹いたのは「LAY LADY LAY」の他の曲と全く声質の違う声である。
この曲だけ全く別人の様にザラツキ感のないつるんとした奇麗な声なのだ。
この人の本当の声はどれなんだろう?という疑問も生まれて来た。
「こりゃそろそろちゃんと聴けって事だな?」と思った。
要するにタイミングと言うか聴く時期が来たということである。
たまたま同時期に購入したザ・バンドの「ROCK OF AGES」が紙ジャケになり今まで未発表だったゲストのディランの4曲が追加収録され、主役のザ・バンドを喰ってしまう位の歓声で迎えられるディランがやけにカッコ良かったり、
さらにもう一つ重要なタイミングが重なった。
5.1chサラウンド・システムの導入である。
これがタイミング的に非常に大きかった!
ようやく今まで気になっていたSACDとDVD-AUDIOがマルチ・チャンネルで聴ける様になった事である。
新しいソフトに飢えていたのですぐに「バングラ・デッシュ」のリマスターDVDを購入して観たディランは昔の変なおじさんじゃなくメチャクチャカッコ良かったし、「ラスト・ワルツ」のリマスターDVDのディランは神がかっていてさらに白い帽子が眩しかった!
要するにファンになったのである!
その後オリジナル・アルバムをSACDで少しづつ集めだし中山康樹先生の「ディランを聴け!」を片手に聴きまくり、遂にはBOOTにも手を出し始めるお決まりのコースに.....。
これが4年前から始まったディラン地獄の始まりである。
本当にこの年はディランとマイルス・デイヴィス/Miles Davisしか聴けなかったなぁ〜!
今回のおまけ
その白い帽子とディランのトレード・マークの水玉柄のシャツが眩しいめちゃくちゃ染みる曲です!このフェンダー・ストラトキャスターの音、とにかく最高です!腐ったエフェクターなんかかましたらこの音はでませんぜ!旦那!
ロビー・ロバートソンの引き攣ったギター・ソロも最高です!特にダブル・ノートの所なんか昇天ものです。
こんな最高なバンドを近いうちに作るぜ!決めた!
The BandのLast Waltzから「Forever Young」
映像解説担当:きのけん(Outsider Records!)
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