No.473 / 奢り


お気楽から TEL です.....


お気楽:「今日昼飯一緒に食おまいや〜っ!」
俺:「あかんっ!今、超〜っ!金欠っ!
   今週いっぱい¥1000で過ごさにゃならんで!」
お気楽:「しょうがないで昼飯奢ってあげるよ〜っ!」
俺:「本当っ?しょうがないで奢らせてあげるわんっ!じゃあ1:00大須集合ね〜っ♪」
お気楽:「はあっ..........」



Photo:Kinoken


お気楽と1:00 に大須に集合すると前から見慣れた顔が......


「やべ〜っ!刈谷のパティーだっ!........」
「あれ〜っ?きのけんにお気楽さんっ!大スターがこんな所でお散歩?年末の武道館はおめでとうございます〜っ!」


刈谷のパティーが人を褒める時は絶対に魂胆があるに決まってますっ!......(泣)
お気楽は恐怖で言葉が出ません.......


「きのけんはどうせお金無いでしょうから......うんっ!ここで会ったのも何かの縁よねっ!?これも偶然に見える必然っ!お昼ご一緒してあげる〜〜っ!お気楽さん素敵なコート着ちゃって!うんっ!わかったわっ!お昼奢らせてあげるわっ!今日はあなた達ラッキーよっ!私に会えてお昼奢れるんですもの〜っ!うふっ♥」


だって!......


諦めましょう!人間どうしようもない事にいつまでも悩んでいてもしょうがないです......


そんなこんなで拉致された2人はパティー指定のお店に着きました。


居酒屋「太郎さん」.....(泣)
昼間から居酒屋ですか?.....どうせパティーが誰かに出資させて自分が経営している店に違いありませんっ!
まあ諦めましょう!諦め!ね!

Photo:Kinoken


店内はお客さんで一杯ですが何故か?お座敷の一番良い席だけが計った様に空いています......
ますます怪しい......(汗)


Photo:Kinoken


「ふう〜〜っ!私は松坂牛のステーキ丼にウニ丼ねっ!あとコニャック!」
と言い放ち遠い目でタバコを燻らすパティー.....

Photo:Kinoken


お気楽が気の毒になって来たので遠慮して最安値のおでん定食を注文しました。

Photo:Kinoken


来ました....が....地味なもん注文しちゃったな〜っ!(泣)

Photo:Kinoken


味噌で煮込んだゆでたまごで気分を変えましょっと!

Photo:Kinoken


落ち着かず味もあまりわからず一気に完食です。


隣をふと見たらお気楽は味噌汁を注文しただけです......(泣)

Photo:Kinoken


突然涙ぐみながらお気楽が声を上げました。


「そうそうっ!こんな格好してるのは今日面接して来てね〜っ!
まだわからないけどひょっとしたら採用されるかもよっ!」
「えっ?そりゃ〜目出たいじゃんっ!!おめでとう〜っ!
無職になって丁度1年だでね〜っ。」

Photo:Kinoken


レジでお気楽が殆どパティーの昼食代を払い出てきました。


コニャックとバーボンで出来上がった現金なパティーが一言.....
「お気楽さんご馳走さまっ!相変わらず良い男よっ!
お礼に腕組んであげるね!うふふっ...」


これにはお気楽も苦笑いするしかありません......

Photo:Kinoken


ふと気付くと忽然とパティーはいなくなっていました.....


不思議な女です.....


でも何故あのタイミングで現れ、そして何処に行ったんでしょうか.....?


そしてお気楽が一言....
「何かいつもあんたらに会うとこれは夢なのか?現実なのか?わからなくなる時が多いよ.....
何かね?....


まあいいか〜っ!健康で楽しきゃねっ!
ありがとう〜っ!ご馳走様!」


そう言うとお気楽は帰って行きました。
奢ってくれたのは彼なのに.....
後ろ姿が少し寂しげにも見えましたが.........


仕事決まると良いねっ!
がんばれっ!お気楽ベーシスト!



Photo:Kinoken